百年の孤独 [醸造学]
日本からのお土産で麦焼酎「百年の孤独」を頂きました!
焼酎って仏ではなかなか手に入りませんし
ましてや百年の孤独なんて仏のどこを探してもないでしょう…。
以前にも言いましたが焼酎はブランデーやウィスキーと同じ蒸留酒です。
ワイン、日本酒、ビールなどの醸造酒を蒸留したものがこれに当たります。
昔、タイから沖縄に蒸留技術が伝えられ焼酎が作られ
鹿児島を経由して全国に広まったと言われています。
ですから南に焼酎の蔵元が多いのは当然なんですね。
【原料】
ご存知の通り焼酎の原料にはさまざま種類があります。
・米:洗米→浸漬→蒸米(日本酒と同じ)
・大麦:丸麦はしっかりと浸漬した後に蒸す。
・芋:1時間位蒸してから潰し放冷。
・黒糖:お湯で溶かして仕込みに使用する。
・その他 (そば、トウモロコシetc)
製造方法
1.製麹
全種の焼酎の麹原料は米で、一部では大麦が使われる。
麹菌はクエン酸生成能力を持つ黒麹菌(Aspergillus awamori)か白麹(Asp.kawachi)
を使用。製麹工程の流れは清酒と同じ。(清酒の項はコチラ)
焼酎は、芋などの粗原料を使用しているために酸敗しやすい。
ましてや九州方面の暖地なら尚更だ。
しかし焼酎で使用される麹菌のクエン酸生成により
静菌作用があるため問題はない。
2.仕込み(醪造り)
清酒とは違って酒母(酵母を純粋培養したもの)造りを行わずに
二段仕込みで醪を造る。ちなみに泡盛は一次仕込みのみを行う。
2-1.一次仕込み
麹米に酵母を加え発酵させる。一週間ほどで熟成完了。
この時点でアルコール度は14%前後
2-2,二次仕込み
一次もろみに主原料を加える。ここで入れる原料によって焼酎の種類が決まる。
主原料によって仕込み時間は異なる。
3.蒸留
できた醪を下から熱する。そして蒸発した気体を冷やして得られた液体が焼酎。
だいたいアルコール度数は2.5倍に上がる。
つまり醪の段階で14%なら蒸留してできた焼酎は35%となる。
4.濾過
エステル類などにより白濁し、油状になって浮遊しているので取り除く。
5.熟成
期間はさまざまだが3ヶ月〜1年間は熟成させる。
何十年ものもある。
焼酎の工程は以上です。
焼酎はよく日本酒やワインより悪酔いしないと言われます。
たしかにこれは一理あるのです。
理由は“蒸留”という工程にあります。
人間はアルコールを摂取すると、
まず、アルコールを酵素(ADH)で分解し、アセトアルデヒドに変えます。
これが頭痛や吐き気の原因。これをさらに別の酵素(ALDH)により分解され、
酢酸になり最終的に炭酸ガスと水に分解されます。
ここまで分解されれば悪酔い、二日酔いの恐れはありません。
ただ、分解が追いつかなくなって
アセトアルデヒドの状態のままだと例の飲み過ぎによる“後悔”が起こるのです。
日本酒やワイン、ビールなどの醸造酒は、数種類のアルコールが入っています。
それに比べ焼酎は、蒸留により一種類のアルコールしか存在しません。
つまり分解対象物が1種類なわけですから分解も容易なのです。
これが焼酎などの蒸留酒が悪酔い、二日酔いになり難いと言われる所以です。
もちろん肝機能に個人差はあるので、
蒸留酒だろうとちょっと飲んで頭が痛くなる人は当然います。
ちなみにのアルコールを分解する酵素(ALDH)には2種類あり
1型は濃度が高くなってから作用し、分解スピードが遅く
2型は濃度が低い状態から活発に働く強力な酵素。
このALDH2型の酵素が少ない人が一般的に言う“酒が弱い人”に当たります。
自分が強いかどうか調べるのに簡単な方法があります。
きっとやった事がある人も多いと思います。
腕に消毒用アルコールを含ませたバンソコウを10分間貼って取ってみます。
無反応なら2型の正常活性遺伝子型の持ち主。ピンクはやや少ない。
赤くなっていたら、あなたは2型がない遺伝子型なので気をつけて下さい。
ただ反応がどうだろうと、やはり肝臓の負担は避けられないので
自分の肝臓にはちゃんと休日を作ってあげるのは当然です。
と最後に自分に釘を刺してみる…。
焼酎って仏ではなかなか手に入りませんし
ましてや百年の孤独なんて仏のどこを探してもないでしょう…。
以前にも言いましたが焼酎はブランデーやウィスキーと同じ蒸留酒です。
ワイン、日本酒、ビールなどの醸造酒を蒸留したものがこれに当たります。
昔、タイから沖縄に蒸留技術が伝えられ焼酎が作られ
鹿児島を経由して全国に広まったと言われています。
ですから南に焼酎の蔵元が多いのは当然なんですね。
【原料】
ご存知の通り焼酎の原料にはさまざま種類があります。
・米:洗米→浸漬→蒸米(日本酒と同じ)
・大麦:丸麦はしっかりと浸漬した後に蒸す。
・芋:1時間位蒸してから潰し放冷。
・黒糖:お湯で溶かして仕込みに使用する。
・その他 (そば、トウモロコシetc)
製造方法
1.製麹
全種の焼酎の麹原料は米で、一部では大麦が使われる。
麹菌はクエン酸生成能力を持つ黒麹菌(Aspergillus awamori)か白麹(Asp.kawachi)
を使用。製麹工程の流れは清酒と同じ。(清酒の項はコチラ)
焼酎は、芋などの粗原料を使用しているために酸敗しやすい。
ましてや九州方面の暖地なら尚更だ。
しかし焼酎で使用される麹菌のクエン酸生成により
静菌作用があるため問題はない。
2.仕込み(醪造り)
清酒とは違って酒母(酵母を純粋培養したもの)造りを行わずに
二段仕込みで醪を造る。ちなみに泡盛は一次仕込みのみを行う。
2-1.一次仕込み
麹米に酵母を加え発酵させる。一週間ほどで熟成完了。
この時点でアルコール度は14%前後
2-2,二次仕込み
一次もろみに主原料を加える。ここで入れる原料によって焼酎の種類が決まる。
主原料によって仕込み時間は異なる。
3.蒸留
できた醪を下から熱する。そして蒸発した気体を冷やして得られた液体が焼酎。
だいたいアルコール度数は2.5倍に上がる。
つまり醪の段階で14%なら蒸留してできた焼酎は35%となる。
4.濾過
エステル類などにより白濁し、油状になって浮遊しているので取り除く。
5.熟成
期間はさまざまだが3ヶ月〜1年間は熟成させる。
何十年ものもある。
焼酎の工程は以上です。
焼酎はよく日本酒やワインより悪酔いしないと言われます。
たしかにこれは一理あるのです。
理由は“蒸留”という工程にあります。
人間はアルコールを摂取すると、
まず、アルコールを酵素(ADH)で分解し、アセトアルデヒドに変えます。
これが頭痛や吐き気の原因。これをさらに別の酵素(ALDH)により分解され、
酢酸になり最終的に炭酸ガスと水に分解されます。
ここまで分解されれば悪酔い、二日酔いの恐れはありません。
ただ、分解が追いつかなくなって
アセトアルデヒドの状態のままだと例の飲み過ぎによる“後悔”が起こるのです。
日本酒やワイン、ビールなどの醸造酒は、数種類のアルコールが入っています。
それに比べ焼酎は、蒸留により一種類のアルコールしか存在しません。
つまり分解対象物が1種類なわけですから分解も容易なのです。
これが焼酎などの蒸留酒が悪酔い、二日酔いになり難いと言われる所以です。
もちろん肝機能に個人差はあるので、
蒸留酒だろうとちょっと飲んで頭が痛くなる人は当然います。
ちなみにのアルコールを分解する酵素(ALDH)には2種類あり
1型は濃度が高くなってから作用し、分解スピードが遅く
2型は濃度が低い状態から活発に働く強力な酵素。
このALDH2型の酵素が少ない人が一般的に言う“酒が弱い人”に当たります。
自分が強いかどうか調べるのに簡単な方法があります。
きっとやった事がある人も多いと思います。
腕に消毒用アルコールを含ませたバンソコウを10分間貼って取ってみます。
無反応なら2型の正常活性遺伝子型の持ち主。ピンクはやや少ない。
赤くなっていたら、あなたは2型がない遺伝子型なので気をつけて下さい。
ただ反応がどうだろうと、やはり肝臓の負担は避けられないので
自分の肝臓にはちゃんと休日を作ってあげるのは当然です。
と最後に自分に釘を刺してみる…。
2012-06-09 11:28
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コメント(4)
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お久しぶりです。
4、5年前に代々木公園で行なわれたタイ・フェスティバルで、タイから沖縄への焼酎伝来についての説明ブースがあった事を思い出しました。
製法と一緒に長粒種の種籾も持ってきたという内容だったような。
やはり醸造学は休肝日が必要なほど大変なんですね。(^-^)
by bata (2012-06-11 05:56)
>bataさん
ご無沙汰しております!
代々木公園でそんなフェスティバルがあったんですね。
戦前および戦後はしばらく輸入米のみで作られていたようです。
米もタイから来ていたんですね。
現在は焼酎のほとんどは内地古々米を用いています。
こっちでワインは日本の半額の値段で買えてしまうので
必然と飲む量も増えてしまうんです…。
by taskbon (2012-06-12 13:40)
100年の孤独は、南米出身の作家ガブリエル・ガルシア=マルケスのかいた小説のタイトルです。そっちもなかなか奥が深いので、この焼酎と合わせて読んでみるといいと思います。
by kyon (2012-07-26 10:33)
>kyonさん
へぇ〜そうなんですか!どんなお話なんでしょう。kyonさんがおすすめならちょっと今度読んでみます。
by taskbon (2012-08-09 07:41)