SAKE! [醸造学]
SAKEは世界に誇れる国酒である!
「SAKE」は「SUSHI」や「MANGA」と同じくらい世界中で知られている日本語。
しかし、意外にもその製造方法は知られていない。
そもそも原料が何から出来ているのかも知らない外人も多い。
彼らの“sake”のイメージはアルコールがすごく高くできつ〜いお酒。
そう聞くと彼らが言っているのは焼酎の事?
たしかに何人かは芋からできているんだろと言う人もいた。
日本人が海外でsakeと使う時はおそらく日本酒を指している方が多いだろう。
しかし、ここで外人とのおおきな相違がある。
彼らにとってsakeは日本酒だけではなく焼酎も含まれ、“sake=日本の酒”なのである。
しかし、日本のお酒に日本酒と焼酎の2種類あるというのを知っている外人は非常に少ない。
日本酒と焼酎の違いを簡単に説明するならば
日本酒を蒸留したものが米焼酎である。
したがってワインを蒸留したのがブランデーなので
外人さんには“日本酒=ワイン”で“焼酎=ブランデー”と説明してあげると
非常に納得がいくようだ。
という事で、いろんな方からリクエストも頂いたので日本酒の工程を
もう少し詳しくご紹介。
1.精米
精米の程度は※精米歩号(%)で表され、この数値が低いほど酒質は向上する。
名称別に比べると…
・大吟醸、純米大吟醸 ←50%以下
・吟醸、純米吟醸 ←60%以下
・本醸造 ←70%以下
・純米 ←規定無し
※ (白米kg/玄米kg)×100
2.洗米
ぬかを洗い落とす。現在はスクリューコンベア式の洗米機を使う。
この機械は一方から米を、もう一方から水を入れて米を流動させて洗われる。
3.浸漬
浸漬時間(2〜20時間)が過ぎたら、水を抜いて蒸し釜へ移す。
4.蒸米
約30分間、白米を蒸す。これはこの後の糖化酵素の作用を
受けやすくすると同時に麹菌の繁殖を容易にするために行う。
蒸しが終わったら人肌に冷却して麹用と仕込み用に別けられる。
5.製麹
麹とは何か。これは穀物に糸状菌(カビ)を繁殖させたものである。
室温28度の麹室で人肌の温度になった麹用の蒸米に麹菌を入れて
床揉みして繁殖させる。
6.酒母造り
現在は速醸もとが主流で、これは乳酸添加により酵母以外の微生物の繁殖を抑え
清酒酵母だけを純粋に培養する方法。10日ほどでできる。
7.仕込み(醪造り)
酒母に麹、水、蒸米を合わせたのが醪(もろみ)です。
三段仕込みと平行複発酵などの方法がある。
前者は蒸米、麹、水を3回に分けて徐々に増量させ
諸味中の酵母密度を上げる事により雑菌の繁殖を防ぐ方法である。
おおむねこの方法が用いられる事が多い。
後者は糖化と発酵を同時に進行させて方法で、
これを用いると最終段階の諸味には約20%のアルコールが生成される。
発酵期間はだいたい3〜5週間。
ちなみにアルコール添加はこの醪ができてから数日たった頃に行う。
意外に日本酒のアル添に関しては述べられていない。
これはおそらく“アル添”と言うだけで消費者の中に不純物混入だ!と思う輩が
いるせいなのだろう。アルコール添加の理由は
・日本酒度(アルコールとエキス分の比率)を上げる事により辛口にする。
・香りを引き出す、微生物の安定など。
ちなみにアルコール添加の有無は、
名前に純米と記載されていればその酒はアルコール無添加である。
8.上槽(じょうそう)
出来上がった醪を搾り機や布で濾す作業のこと。これにより清酒と酒粕に分ける。
ちなみに女性で好きな方が多い「にごり酒」。これは、通常よりも粗い目の布で
濾す事により、お酒の中に粕を残して造ったもの。
中には火入れもせずに瓶詰めして市場に出されるのも多い。
そのため酵母は生きている状態なので発砲性がある。
9.火入れ
昔は直火でしていたらしいが、現在は熱湯に浸した蛇管を通したり
ボイラーの蒸気で65度まで加熱する。
耐熱性のある菌でも65度に2秒おけば菌数は1/10まで減少する。
なので長時間加熱する事はしない。火入れ後はなるべく早く温度を下げる。
10.火入れが終わったら貯蔵し熟成させて、もう一度火入れをして出荷される。
最後にワインに関しても同じ事が言えますが
清酒の分類は、あくまでも製法や原料を区別するためだけのもので、
その酒の価値を位置づけたものではありません。
あ〜日本酒が恋しい!!
「SAKE」は「SUSHI」や「MANGA」と同じくらい世界中で知られている日本語。
しかし、意外にもその製造方法は知られていない。
そもそも原料が何から出来ているのかも知らない外人も多い。
彼らの“sake”のイメージはアルコールがすごく高くできつ〜いお酒。
そう聞くと彼らが言っているのは焼酎の事?
たしかに何人かは芋からできているんだろと言う人もいた。
日本人が海外でsakeと使う時はおそらく日本酒を指している方が多いだろう。
しかし、ここで外人とのおおきな相違がある。
彼らにとってsakeは日本酒だけではなく焼酎も含まれ、“sake=日本の酒”なのである。
しかし、日本のお酒に日本酒と焼酎の2種類あるというのを知っている外人は非常に少ない。
日本酒と焼酎の違いを簡単に説明するならば
日本酒を蒸留したものが米焼酎である。
したがってワインを蒸留したのがブランデーなので
外人さんには“日本酒=ワイン”で“焼酎=ブランデー”と説明してあげると
非常に納得がいくようだ。
という事で、いろんな方からリクエストも頂いたので日本酒の工程を
もう少し詳しくご紹介。
1.精米
精米の程度は※精米歩号(%)で表され、この数値が低いほど酒質は向上する。
名称別に比べると…
・大吟醸、純米大吟醸 ←50%以下
・吟醸、純米吟醸 ←60%以下
・本醸造 ←70%以下
・純米 ←規定無し
※ (白米kg/玄米kg)×100
2.洗米
ぬかを洗い落とす。現在はスクリューコンベア式の洗米機を使う。
この機械は一方から米を、もう一方から水を入れて米を流動させて洗われる。
3.浸漬
浸漬時間(2〜20時間)が過ぎたら、水を抜いて蒸し釜へ移す。
4.蒸米
約30分間、白米を蒸す。これはこの後の糖化酵素の作用を
受けやすくすると同時に麹菌の繁殖を容易にするために行う。
蒸しが終わったら人肌に冷却して麹用と仕込み用に別けられる。
5.製麹
麹とは何か。これは穀物に糸状菌(カビ)を繁殖させたものである。
室温28度の麹室で人肌の温度になった麹用の蒸米に麹菌を入れて
床揉みして繁殖させる。
6.酒母造り
現在は速醸もとが主流で、これは乳酸添加により酵母以外の微生物の繁殖を抑え
清酒酵母だけを純粋に培養する方法。10日ほどでできる。
7.仕込み(醪造り)
酒母に麹、水、蒸米を合わせたのが醪(もろみ)です。
三段仕込みと平行複発酵などの方法がある。
前者は蒸米、麹、水を3回に分けて徐々に増量させ
諸味中の酵母密度を上げる事により雑菌の繁殖を防ぐ方法である。
おおむねこの方法が用いられる事が多い。
後者は糖化と発酵を同時に進行させて方法で、
これを用いると最終段階の諸味には約20%のアルコールが生成される。
発酵期間はだいたい3〜5週間。
ちなみにアルコール添加はこの醪ができてから数日たった頃に行う。
意外に日本酒のアル添に関しては述べられていない。
これはおそらく“アル添”と言うだけで消費者の中に不純物混入だ!と思う輩が
いるせいなのだろう。アルコール添加の理由は
・日本酒度(アルコールとエキス分の比率)を上げる事により辛口にする。
・香りを引き出す、微生物の安定など。
ちなみにアルコール添加の有無は、
名前に純米と記載されていればその酒はアルコール無添加である。
8.上槽(じょうそう)
出来上がった醪を搾り機や布で濾す作業のこと。これにより清酒と酒粕に分ける。
ちなみに女性で好きな方が多い「にごり酒」。これは、通常よりも粗い目の布で
濾す事により、お酒の中に粕を残して造ったもの。
中には火入れもせずに瓶詰めして市場に出されるのも多い。
そのため酵母は生きている状態なので発砲性がある。
9.火入れ
昔は直火でしていたらしいが、現在は熱湯に浸した蛇管を通したり
ボイラーの蒸気で65度まで加熱する。
耐熱性のある菌でも65度に2秒おけば菌数は1/10まで減少する。
なので長時間加熱する事はしない。火入れ後はなるべく早く温度を下げる。
10.火入れが終わったら貯蔵し熟成させて、もう一度火入れをして出荷される。
最後にワインに関しても同じ事が言えますが
清酒の分類は、あくまでも製法や原料を区別するためだけのもので、
その酒の価値を位置づけたものではありません。
あ〜日本酒が恋しい!!
2012-04-20 15:35
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コメント(2)
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楽しく読ませてもらいました。今まで、日本酒と焼酎のちがいも知らずに、飲んでいました。ワインとブランデーの関係で感じがつかめました。ワインみたいに、いろんな日本酒をためしてみたくなりますね。
by Ryosuke (2012-04-25 04:27)
>Ryosukeさん
日本酒の飲み比べもおもしろいですよ!
私もこの記事を書きながら日本酒がものすごく恋しくなりました。
by taskbon (2012-04-25 06:40)